弊社論文掲載
“すべり線形状の数式化と応力特性法による支持力の厳密解算定法”
土木学会論文集, Vol. 81, No. 2, 24-00189, 2025.
[論文概要]
・この論文は、現在存在していない、主働域で傾斜応力が作用する場合におけるすべり角(応力特性線の接線角)の計算式を、支持力解析のためにMohr円の応力状態から新たに導出した。
・数式化が不可能であった主働域、受働域のすべり線(応力特性線)の形状の数式化により、各領域の正確な形状や長さを瞬時に得ることを可能とした。
・拡張されたKötterの特性方程式(微分方程式)の解を得るには現在まで差分法・数値解を頼ざるを得なかったが、遷移域の微小線分の関係式より特性方程式を解き、γ項の応力変移を数式化した。
・応力特性線(遷移域の特性曲線を含む)上の応力が、応力の各成分(γ 項q 項c 項)の特性に応じて変移するメカニズムを論理的に解明し、これらの各成分の変移過程毎の計算式を示した。
上記の成果により遷移域における本論文でのγ 項の応力変化量とSokolovski の数値解による応力変化量の明らかな相違について指摘。
これらの結果、地震力と主働域での傾斜応力と受働域での斜面勾配の全てによる影響を評価できる支持力計算式を導いた。なお、本論文式はNq やNc やNγによる重ね合わせの理論ではなく、c,q,γ から一つの応力特性線を導いて、同時に導かれる応力特性値(極限応力)を解とする方法である。また、S 2線が曲線となる場合には遷移域でのS 1 線の対数螺旋の原点がサーチャージ荷重の端点の位置にならないことが本論文法の特徴である。
・設計条件を入力すると、すべり面形状が確認できます。
・応力特性法に使用する計算式の説明や計算アルゴリズムも掲載しています。
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